2011.09.09 (Fri)
これもブルース 第16回 「ニューオーリンズの豪快ギタリスト!」
Guitar Slim
本名 Eddie Lee Jones
以前、トータス氏に借りたBlues Deluxeなる、CD10枚組のBOXセットで初めて聴いたGuitar Slim。豪快な歌いっぷりが何とも気持ちがいいこの人は1950年代のNew Orleansで活躍していたようだ。
今回はそんなNew Orleansの豪快ギタリスト!Guitar Slimを聴いてみよう!
1953 年にSpecialty Recordsに吹き込んだ「The Things That I Used To Do」(この曲のアレンジとピアノは、若かりし頃のRay Charlesとのこと!)が大ヒット。ステージでは赤やピンクのスーツを好んで着ていたらしく、ライヴパフォーマンスも超長いシールド(ギターとアンプ をつないでるケーブルのこと)でステージの隅から隅へ、ギターを弾きながら客席に降りて練り歩き、それでも物足りず超長いシールドを生かして会場の外の駐 車場でギターソロを弾きまくってたという伝説も残っている本当に豪快な人だ!!!当時すでにギターを弾く位置がかなり低かったことや、ギターを抱え上げて 背中で「グギギギーン」と弾いていたりと、当時のGuitar Slimのエンタテインメント性はその後のブルースギタリスト、Buddy GuyやEarl Kingに、そこからJimi HendrixやStevie Ray Vaughanへと受け継がれていったと思われる。
-Sufferin Mind-
1953~1955年までSpecialityに吹き込んだ楽曲で構成されている。これ1枚でSpecialityの音源はほとんど網羅しているようなの で、初めての方にはオススメだ!大ヒット曲「The Things That I Used To Do」も収録されている。
-ATCO Sessions-
こちらは前出のSpecialityの後、1956~1958年までAtlantic/ATCOに吹き込まれた音源を集めたものだ。Specialityの音源よりかなりマイルドに聴こえるが、Guitar Slimとしての良さは何も変わってない。
かなりの大酒飲みだったらしいGuitar Slim。59年には肺炎をわずらい、なんと32才の若さで亡くなっている。豪快な歌声やギタープレイは、豪快な人間性が直結していたということか。
「ス リム」といえば第4回の「Slim Harpo」もそうなんだが、ブルースマンに「スリム」が付く人はけっこう多い。この「スリム」というのは、やはり見た目が「シュッとしてる」っていう意 味も含まれているようで、Guitar Slimも例外なくモテていたようだ。いつの時代も「スリム」なものには憧れてしまう。
これもブルース。
初掲載:2008.05.23.
加筆、修正:2011.09.09.
本名 Eddie Lee Jones
以前、トータス氏に借りたBlues Deluxeなる、CD10枚組のBOXセットで初めて聴いたGuitar Slim。豪快な歌いっぷりが何とも気持ちがいいこの人は1950年代のNew Orleansで活躍していたようだ。
今回はそんなNew Orleansの豪快ギタリスト!Guitar Slimを聴いてみよう!
1953 年にSpecialty Recordsに吹き込んだ「The Things That I Used To Do」(この曲のアレンジとピアノは、若かりし頃のRay Charlesとのこと!)が大ヒット。ステージでは赤やピンクのスーツを好んで着ていたらしく、ライヴパフォーマンスも超長いシールド(ギターとアンプ をつないでるケーブルのこと)でステージの隅から隅へ、ギターを弾きながら客席に降りて練り歩き、それでも物足りず超長いシールドを生かして会場の外の駐 車場でギターソロを弾きまくってたという伝説も残っている本当に豪快な人だ!!!当時すでにギターを弾く位置がかなり低かったことや、ギターを抱え上げて 背中で「グギギギーン」と弾いていたりと、当時のGuitar Slimのエンタテインメント性はその後のブルースギタリスト、Buddy GuyやEarl Kingに、そこからJimi HendrixやStevie Ray Vaughanへと受け継がれていったと思われる。
-Sufferin Mind-
1953~1955年までSpecialityに吹き込んだ楽曲で構成されている。これ1枚でSpecialityの音源はほとんど網羅しているようなの で、初めての方にはオススメだ!大ヒット曲「The Things That I Used To Do」も収録されている。
-ATCO Sessions-
こちらは前出のSpecialityの後、1956~1958年までAtlantic/ATCOに吹き込まれた音源を集めたものだ。Specialityの音源よりかなりマイルドに聴こえるが、Guitar Slimとしての良さは何も変わってない。
かなりの大酒飲みだったらしいGuitar Slim。59年には肺炎をわずらい、なんと32才の若さで亡くなっている。豪快な歌声やギタープレイは、豪快な人間性が直結していたということか。
「ス リム」といえば第4回の「Slim Harpo」もそうなんだが、ブルースマンに「スリム」が付く人はけっこう多い。この「スリム」というのは、やはり見た目が「シュッとしてる」っていう意 味も含まれているようで、Guitar Slimも例外なくモテていたようだ。いつの時代も「スリム」なものには憧れてしまう。
これもブルース。
初掲載:2008.05.23.
加筆、修正:2011.09.09.
2011.08.12 (Fri)
これもブルース 第15回 ニューオーリンズのファット・マン!
Fats Domino
本名 Antoine Dominique Domino
兄の影響でロックやパンクロックを聴くようになり、自分で好きなレコードを買うようになった高校生の頃、実家の押し入れの奥で古いレコードを見つけた。両親のものかそれとも叔父のものか、、、。シングル盤とLP盤が合わせて十数枚。そのときはどれも興味がなく針を落とすこともなかったのだが、それから数年後、押し入れを片付けているときにレコードの存在を思い出し、引っ張り出して見てみると、The Bee Geesの「Massachusetts」や、島倉千代子さんの「愛のさざ波」のシングル盤、Motown Recordsのクリスマスアルバムがでてきたのにはびっくりした。そんな中に混ざって「サッチモ」の愛称で親しまれている、Louis Armstrongの「聖者来りて」のシングル盤があったのだが、そのB面が「Blueberry Hill」だった。この曲はFats Dominoも歌っていて、Fats Dominoバージョンは3連符のリズムを強調した演奏になっているんだが、ゆったりとしたサッチモの「Blueberry Hill」も素晴らしい。
「Fats Domino」という名前を知ったのは、John Lennonのアルバム「Rock 'n' Roll」のライナーノーツだった。「収録されている『エイント・ザット・ア・シェイム』はニューオーリンズのピアニスト、ファッツ・ドミノの曲で・・・」とあり、「変わった名前の人だなぁ」と記憶していたのだが、、、名前のことではオレも他人のことは言えないなぁ、、、。
Fats Dominoの曲は、もはやロックンロールのスタンダードナンバーと言えるほど親しまれている曲が多く、「I'm Walkin'」や「Blue Monday」なんかはどこかで聴いたことがある人も多いんじゃないかな。なんせ聴こえてくるピアノの音が力強く、叩き付けるような3連符にロックンロールを感じてしまうのはオレだけじゃないはず。「Blueberry Hill」も「Ain't That A Shame」もこのリズムだ( John LennonのAin't That A Shameはリズムを8ビートにして演奏していて、オリジナルにはないイントロを付け加えているのだが、そのイントロがまたカッコイイんだ!)。ウルフルズでもおなじみのロックンロール・ピアノマン、伊東ミキオ氏もFats Dominoはフェイヴァリットアーティストとのこと。
-Greatest Hits : Walking To New Orleans-
何種類かベスト盤がリリースされているが、初めての方にはオレの独断と偏見で30曲収録されているこのアルバムをオススメしたい。「I'm Walkin'」、「Ain't That A Shame」、「Blueberry Hill」、「Blue Monday」、「The Fat Man」などなど、おなじみの名曲が続々と聴こえてくる。「I'm Walkin'」でのEarl Palmerのドラムが左手からスタートしていることを知ったときの衝撃は、、、いまだに忘れられないし、いまだにできない。
-Going Home ~ A Tribute To Fats Domino/V.A.-
John Lennonの「Ain't That A Shame」から始まるこのアルバム。集まったメンツの名前を見ればFats Dominoがいかにいろんなミュージシャンに影響を与えたかがよくわかる好編集アルバムだ!!!Dr. JohnやThe Dirty Dozen Brass Band with Joss Stone + Buddy GuyなどNew Orleans組に加えて、Lenny Kravitz with Rebirth Brass Band + J.B. HornsやRobbie Robertson with Galactic、Ben Harper with The Skatalitesなどなど、おもしろいセッションが聴けるのもこのアルバムの素晴らしいところ。中でもPaul McCartneyとAllen ToussaintのセッションはPaulのFats Dominoへの愛情がとても感じられる。2007年リリース。
これもブルース。
初掲載:2008.05.09.
加筆、修正:2011.08.12.
本名 Antoine Dominique Domino
兄の影響でロックやパンクロックを聴くようになり、自分で好きなレコードを買うようになった高校生の頃、実家の押し入れの奥で古いレコードを見つけた。両親のものかそれとも叔父のものか、、、。シングル盤とLP盤が合わせて十数枚。そのときはどれも興味がなく針を落とすこともなかったのだが、それから数年後、押し入れを片付けているときにレコードの存在を思い出し、引っ張り出して見てみると、The Bee Geesの「Massachusetts」や、島倉千代子さんの「愛のさざ波」のシングル盤、Motown Recordsのクリスマスアルバムがでてきたのにはびっくりした。そんな中に混ざって「サッチモ」の愛称で親しまれている、Louis Armstrongの「聖者来りて」のシングル盤があったのだが、そのB面が「Blueberry Hill」だった。この曲はFats Dominoも歌っていて、Fats Dominoバージョンは3連符のリズムを強調した演奏になっているんだが、ゆったりとしたサッチモの「Blueberry Hill」も素晴らしい。
「Fats Domino」という名前を知ったのは、John Lennonのアルバム「Rock 'n' Roll」のライナーノーツだった。「収録されている『エイント・ザット・ア・シェイム』はニューオーリンズのピアニスト、ファッツ・ドミノの曲で・・・」とあり、「変わった名前の人だなぁ」と記憶していたのだが、、、名前のことではオレも他人のことは言えないなぁ、、、。
Fats Dominoの曲は、もはやロックンロールのスタンダードナンバーと言えるほど親しまれている曲が多く、「I'm Walkin'」や「Blue Monday」なんかはどこかで聴いたことがある人も多いんじゃないかな。なんせ聴こえてくるピアノの音が力強く、叩き付けるような3連符にロックンロールを感じてしまうのはオレだけじゃないはず。「Blueberry Hill」も「Ain't That A Shame」もこのリズムだ( John LennonのAin't That A Shameはリズムを8ビートにして演奏していて、オリジナルにはないイントロを付け加えているのだが、そのイントロがまたカッコイイんだ!)。ウルフルズでもおなじみのロックンロール・ピアノマン、伊東ミキオ氏もFats Dominoはフェイヴァリットアーティストとのこと。
-Greatest Hits : Walking To New Orleans-
何種類かベスト盤がリリースされているが、初めての方にはオレの独断と偏見で30曲収録されているこのアルバムをオススメしたい。「I'm Walkin'」、「Ain't That A Shame」、「Blueberry Hill」、「Blue Monday」、「The Fat Man」などなど、おなじみの名曲が続々と聴こえてくる。「I'm Walkin'」でのEarl Palmerのドラムが左手からスタートしていることを知ったときの衝撃は、、、いまだに忘れられないし、いまだにできない。
-Going Home ~ A Tribute To Fats Domino/V.A.-
John Lennonの「Ain't That A Shame」から始まるこのアルバム。集まったメンツの名前を見ればFats Dominoがいかにいろんなミュージシャンに影響を与えたかがよくわかる好編集アルバムだ!!!Dr. JohnやThe Dirty Dozen Brass Band with Joss Stone + Buddy GuyなどNew Orleans組に加えて、Lenny Kravitz with Rebirth Brass Band + J.B. HornsやRobbie Robertson with Galactic、Ben Harper with The Skatalitesなどなど、おもしろいセッションが聴けるのもこのアルバムの素晴らしいところ。中でもPaul McCartneyとAllen ToussaintのセッションはPaulのFats Dominoへの愛情がとても感じられる。2007年リリース。
これもブルース。
初掲載:2008.05.09.
加筆、修正:2011.08.12.
2011.07.08 (Fri)
これもブルース 第14.5回「大男の遠吠えが聞こえる!part2」
Howlin' Wolf
前回の続き
Chess Recordsの社長、レナード・チェスに熱心に誘われ、Howlin' Wolfは単身Chicagoに向かうことに。Chicagoでの暮らしが落ち着くまでの間、Howlin' Wolfに「ゆっくりして行きな」と自宅に泊めていたのは誰あろう、Muddy Watersだったというのだから驚きだ!当時のMuddy WatersはChess Recordsからヒットを連発しており、シカゴブルース界で知らぬものはいなかった。この先Chess Recordsの看板ブルースマンとして二人は強烈なライバルになっていく。
そんな1954年3月、Chicagoでの初レコーディングを行う。当時はシングルでしか発売されなかったので、アルバムに収録されている楽曲は録音年とは前後するのだが、Chess Recordsでの記念すべき1stアルバムがこれだ!
-Moanin' In The Moonlight-
なんとリリースされたのは1959年とのこと。初レコーディングから実に5年の歳月が過ぎてからのアルバムリリースということになる。もちろんシングルではリリースされている。West Memphis時代のテイク「Moanin' At Midnight」や「How Many More Years」、超名曲「Smokestack Lightnin'」、「Evil」、「Forty Four」など名曲名演がぎっしり詰まっている名盤だ!
-Howlin' Wolf (Rockin' Chair)-
1962年リリースの2ndアルバム。当時はアルバム単位でのリリースよりも、シングルでの需要が多かったため、アルバムとはいっても「まとめて聴ける」といった意味合いのほうが強いようだ。よって曲によって録音年数もまばらなんだが、このアルバムもThe Rolling Stonesが取り上げた「Little Red Rooster」やCreamが取り上げた「Spoonful」、The Doorsで有名な「Back Door Man」、他にも「Shake For Me」、「You'll Be Mine(最高!)」、「Wang Dang Doodle(Etta Jamesも歌っている)」などなど、これまた超名盤だ!
-Real Folk Blues-
1曲目の「Killing Floor」から「Sittin’ On The Top Of The World」、「Tail Dragger」、「Three Hundred Pounds Of Joy」などなど、Howlin' Wolfの名前を一躍有名にした曲がずらりと並ぶ 1966年リリースの3rdアルバム。
聴けば聴くほど「狼の遠吠え」に引きつけられて行くHowlin' Wolfの音楽。
まだまだリリースされているので興味を持ったかたは是非とも聴いてほしい。
初掲載:2008.04.26.
加筆、修正:2011.07.08.
前回の続き
Chess Recordsの社長、レナード・チェスに熱心に誘われ、Howlin' Wolfは単身Chicagoに向かうことに。Chicagoでの暮らしが落ち着くまでの間、Howlin' Wolfに「ゆっくりして行きな」と自宅に泊めていたのは誰あろう、Muddy Watersだったというのだから驚きだ!当時のMuddy WatersはChess Recordsからヒットを連発しており、シカゴブルース界で知らぬものはいなかった。この先Chess Recordsの看板ブルースマンとして二人は強烈なライバルになっていく。
そんな1954年3月、Chicagoでの初レコーディングを行う。当時はシングルでしか発売されなかったので、アルバムに収録されている楽曲は録音年とは前後するのだが、Chess Recordsでの記念すべき1stアルバムがこれだ!
-Moanin' In The Moonlight-
なんとリリースされたのは1959年とのこと。初レコーディングから実に5年の歳月が過ぎてからのアルバムリリースということになる。もちろんシングルではリリースされている。West Memphis時代のテイク「Moanin' At Midnight」や「How Many More Years」、超名曲「Smokestack Lightnin'」、「Evil」、「Forty Four」など名曲名演がぎっしり詰まっている名盤だ!
-Howlin' Wolf (Rockin' Chair)-
1962年リリースの2ndアルバム。当時はアルバム単位でのリリースよりも、シングルでの需要が多かったため、アルバムとはいっても「まとめて聴ける」といった意味合いのほうが強いようだ。よって曲によって録音年数もまばらなんだが、このアルバムもThe Rolling Stonesが取り上げた「Little Red Rooster」やCreamが取り上げた「Spoonful」、The Doorsで有名な「Back Door Man」、他にも「Shake For Me」、「You'll Be Mine(最高!)」、「Wang Dang Doodle(Etta Jamesも歌っている)」などなど、これまた超名盤だ!
-Real Folk Blues-
1曲目の「Killing Floor」から「Sittin’ On The Top Of The World」、「Tail Dragger」、「Three Hundred Pounds Of Joy」などなど、Howlin' Wolfの名前を一躍有名にした曲がずらりと並ぶ 1966年リリースの3rdアルバム。
聴けば聴くほど「狼の遠吠え」に引きつけられて行くHowlin' Wolfの音楽。
まだまだリリースされているので興味を持ったかたは是非とも聴いてほしい。
初掲載:2008.04.26.
加筆、修正:2011.07.08.
2011.06.10 (Fri)
これもブルース 第14回 大男の遠吠えが聞こえる!1
Howlin' Wolf
本名 Chester Arthur Burnett
連載第10、11回目の木村充揮さんの声が「天使のダミ声」と言われているのなら、この人、Howlin' Wolfの声は「元祖悪魔のうなり声」とでも言えばいいのだろうか。Howlin Wolfの歌声にはそうにしか聴こえない瞬間が多々ある。そういや「Evil」って名曲があるのもなにかの縁なのか。連載当時、何も知らずに聴きだしたの だが、いまやすっかりHowlin' Wolfにやられてしまった。
その独特な歌声は人為的に作られたものではなく天性の物のようで、幼 い頃に何度も扁桃炎をわずらったのも関係しているようだ。10代の頃、伝説のブルースマンCharlie Pattonに直々にギターを教わり、30代になり、Robert Johnson、Sonny Boy WilliamsonⅡとミッシシッピを旅して回り、30代の後半、単身ウェスト・メンフィスへ向かう。そこでWillie Johnson(Gt.)、Mat Murphy(Gt.)、Willie Steele(Dr.)、James Williams(Piano)、James Cotton(Harp)、らとバンドを組み、ウェスト・メンフィスでは大人気バンドに。翌年、ウェスト・メンフィスのラジオ局、KWEMで番組を始める と、この放送を聞いていたSam Phillips(Sun Recordsを作った人!)の耳に止まり、1951年ついにレコードデビューを果たす。Howlin' Wolfは41歳になっていた。
-Memphis Days Vol.1&Vol.2-
当時はメンフィスのSam Phillipsが録音したものをシカゴのChess Recordsに、Ike Turnerが録音したものをロスアンゼルスのModern/RPM Recordsにリースしていたようだ。この2枚はChess Recordsにリースしていたものをまとめたもの。軽快な「Oh, Red」や強烈なブギの「Mr. Highway Man」、Chessでのデビューシングル「Moanin' At Midnight」「How Many More Years」、など、すでに
後のHowlin' Wolfが感じられる曲多数!
-Sings The Blues-
上のChessに対抗して、Ike Turnerが主導で録音されていたロスアンゼルスのModern/RPM Recordsの時の音源をまとめたのがこれだ。興味深いのはChess用にも吹き込んだ「Moaning At Midnight」「Riddin' In The Moonlight」を新たに録音していることや「How Many More Years」が「Dog Me Around」として録音されていることなど、当時のHowlin' Wolfを知る上では欠かせないCD!
「Memphis Days」も「Sings The Blues」も1951~52年にレコーディングされたもの。この後、1953年、Howlin' Wolfは単身シカゴに向かうことに。
次回へ続く。
初掲載:2008.04.26.
加筆、修正:2011.06.10.
本名 Chester Arthur Burnett
連載第10、11回目の木村充揮さんの声が「天使のダミ声」と言われているのなら、この人、Howlin' Wolfの声は「元祖悪魔のうなり声」とでも言えばいいのだろうか。Howlin Wolfの歌声にはそうにしか聴こえない瞬間が多々ある。そういや「Evil」って名曲があるのもなにかの縁なのか。連載当時、何も知らずに聴きだしたの だが、いまやすっかりHowlin' Wolfにやられてしまった。
その独特な歌声は人為的に作られたものではなく天性の物のようで、幼 い頃に何度も扁桃炎をわずらったのも関係しているようだ。10代の頃、伝説のブルースマンCharlie Pattonに直々にギターを教わり、30代になり、Robert Johnson、Sonny Boy WilliamsonⅡとミッシシッピを旅して回り、30代の後半、単身ウェスト・メンフィスへ向かう。そこでWillie Johnson(Gt.)、Mat Murphy(Gt.)、Willie Steele(Dr.)、James Williams(Piano)、James Cotton(Harp)、らとバンドを組み、ウェスト・メンフィスでは大人気バンドに。翌年、ウェスト・メンフィスのラジオ局、KWEMで番組を始める と、この放送を聞いていたSam Phillips(Sun Recordsを作った人!)の耳に止まり、1951年ついにレコードデビューを果たす。Howlin' Wolfは41歳になっていた。
-Memphis Days Vol.1&Vol.2-
当時はメンフィスのSam Phillipsが録音したものをシカゴのChess Recordsに、Ike Turnerが録音したものをロスアンゼルスのModern/RPM Recordsにリースしていたようだ。この2枚はChess Recordsにリースしていたものをまとめたもの。軽快な「Oh, Red」や強烈なブギの「Mr. Highway Man」、Chessでのデビューシングル「Moanin' At Midnight」「How Many More Years」、など、すでに
後のHowlin' Wolfが感じられる曲多数!
-Sings The Blues-
上のChessに対抗して、Ike Turnerが主導で録音されていたロスアンゼルスのModern/RPM Recordsの時の音源をまとめたのがこれだ。興味深いのはChess用にも吹き込んだ「Moaning At Midnight」「Riddin' In The Moonlight」を新たに録音していることや「How Many More Years」が「Dog Me Around」として録音されていることなど、当時のHowlin' Wolfを知る上では欠かせないCD!
「Memphis Days」も「Sings The Blues」も1951~52年にレコーディングされたもの。この後、1953年、Howlin' Wolfは単身シカゴに向かうことに。
次回へ続く。
初掲載:2008.04.26.
加筆、修正:2011.06.10.
2011.05.13 (Fri)
これもブルース 第13回 サイケデリックなブルース!
Jimi Hendlix
本名 James Marshall Hendrix
高校2年生のときの話。ゼルダの小嶋さちほさんが大阪のNHK-FMでDJを務めていた番組があった。毎回、いろんな特集を組んでは有名無名問わず、さまざまな曲をかけてくれていたので、当時のオレにはとても有り難い番組だった。 たまたまその日はサイケデリック・ロック特集の日で、覚えているだけでも流れた曲は、The Beatlesの「Rain」や、The Rolling Stonesの「We Love You」、The Monkeesの「Valleri」やらThe Nazzの「Open My Eyes」などなど、なかなか高校2年生には刺激的な曲が並んでいた。そんな番組の1曲目を飾ったのがThe Jimi Hendrix Experienceの「Purple Haze」だった。
-Are You Experienced-
イギリス盤
アメリカ盤
元The Animalsのベーシスト、Chas ChandlerがThe Animals最後のアメリカツアー中にJimi Hendrixと出会い、プロデュースとマネージメントをするべくロンドンに連れてかえり、Noel Redding (Bass)とMitch Mitchell (Drums)とのバンド「The Jimi Hendrix Experience」としてまず「Hey Joe」を録音、その後「Stone Free」とのカップリングで1966年の12月にポリドールレコードからデビュー。翌1967年5月、イギリスで発表されたのがこのアルバムだ。その後8月にはアメリカでも発売された。当時のイギリス盤とアメリカ盤ではジャケット、収録曲目が違うのだが、現在手に入るCDでは曲順が違うだけでどちらも曲数は同じだ。「Purple Haze」をはじめ、「Manic Depression」「Foxy Lady」「Fire」「The Wind Cries Mary」などなど、名曲、名演の数々が聴ける超名盤だ!!!
-Axis:Bold As Love-
まずジャケットのインパクトがすごい!!!サイケデリックの一言で済ましてしまうにはあまりももったいないくらい素晴らしいジャケットワークだ!前作「Are You Experienced」からわずか7ヶ月後の1967年12月にリリースされた2ndアルバム。映画「Easy Rider」にも使われた「If 6 Was 9」や「Little Wing」「Wait Until Tomorrow」「Spanish Castle Magic」「Little Miss Lover」「Bold As Love」などなど、前作に負けず劣らず超名盤!!!
-Electric Lady Land-
ここまでくるとジャケットのインパクトというよりも、何か別の物に見えてくるのはオレだけだろうか、、、。実際、このジャケットはJimi Hendrixの意図とは何の関係もなく、本人もレコード会社の勝手な意向にかなり落ち込んだようだ(現在発売されているジャケットは別のものなのでご安心を!)。そんな3rdアルバムは1968年の10月にリリースされている。前作からの間、ツアーと並行して曲を作りレコーディングされたようだが、その過密スケジュールがプロデューサーのChas Chandlerと、さらにはバンド内にも亀裂を生んでいったようだ。このアルバムのレコーディング中にChas ChandlerはJimi Hendrixのもとを去っている。またこのアルバムはExperienceのメンバー以外で行われたセッションも収録されている。
今まで以上に時間とお金をかけれるようになり、レコーディング機材の向上もあいまって、立体的なサウンド作りがされていたにもかかわらず、最終行程のマスタリング&カッティングで全て台無しにされたと、発売当時Jimi Hendrixは不満をもらしていたようだ。そんな不満とは裏腹にアルバムは初のNo.1に。「Voodoo Chile」を筆頭に「The Burning Of The Midnight Lamp」、Bob Dylanのナンバー「All Along The Watchtower」「Cross Town Traffic」「Gipsy Eyes」などなど、No.1アルバムに相応しい内容の超名盤!!!
-BBC Sessions-
これはイギリスの放送局BBCで行われたスタジオライヴを集めたCDなんだが、なんせ演奏が素晴らしい!!!3人でこの迫力の演奏をされたらたまったもんじゃない、、、。「 (I'm Your) Hoochie Coochie Man」「Catfish Blues」「Hound Dog」「Killing Floor」とBLUESのカヴァーもさすが!!!
Chas Chandlerの言葉を借りると、「僕はブルースだけをやっていたのではJimi Hendrixでヒットは作れないと思っていた」とのこと。Jimi Hendrixのブルースに、Chas Chandlerが加えた「+アルファ」が、 上記の3枚のスタジオ盤を傑作アルバムに押し上げたのは間違いのないことだろう。
これもブルース。
初掲載:2008.04.11.
加筆・修正:2011.05.13.
本名 James Marshall Hendrix
高校2年生のときの話。ゼルダの小嶋さちほさんが大阪のNHK-FMでDJを務めていた番組があった。毎回、いろんな特集を組んでは有名無名問わず、さまざまな曲をかけてくれていたので、当時のオレにはとても有り難い番組だった。 たまたまその日はサイケデリック・ロック特集の日で、覚えているだけでも流れた曲は、The Beatlesの「Rain」や、The Rolling Stonesの「We Love You」、The Monkeesの「Valleri」やらThe Nazzの「Open My Eyes」などなど、なかなか高校2年生には刺激的な曲が並んでいた。そんな番組の1曲目を飾ったのがThe Jimi Hendrix Experienceの「Purple Haze」だった。
-Are You Experienced-
イギリス盤
アメリカ盤
元The Animalsのベーシスト、Chas ChandlerがThe Animals最後のアメリカツアー中にJimi Hendrixと出会い、プロデュースとマネージメントをするべくロンドンに連れてかえり、Noel Redding (Bass)とMitch Mitchell (Drums)とのバンド「The Jimi Hendrix Experience」としてまず「Hey Joe」を録音、その後「Stone Free」とのカップリングで1966年の12月にポリドールレコードからデビュー。翌1967年5月、イギリスで発表されたのがこのアルバムだ。その後8月にはアメリカでも発売された。当時のイギリス盤とアメリカ盤ではジャケット、収録曲目が違うのだが、現在手に入るCDでは曲順が違うだけでどちらも曲数は同じだ。「Purple Haze」をはじめ、「Manic Depression」「Foxy Lady」「Fire」「The Wind Cries Mary」などなど、名曲、名演の数々が聴ける超名盤だ!!!
-Axis:Bold As Love-
まずジャケットのインパクトがすごい!!!サイケデリックの一言で済ましてしまうにはあまりももったいないくらい素晴らしいジャケットワークだ!前作「Are You Experienced」からわずか7ヶ月後の1967年12月にリリースされた2ndアルバム。映画「Easy Rider」にも使われた「If 6 Was 9」や「Little Wing」「Wait Until Tomorrow」「Spanish Castle Magic」「Little Miss Lover」「Bold As Love」などなど、前作に負けず劣らず超名盤!!!
-Electric Lady Land-
ここまでくるとジャケットのインパクトというよりも、何か別の物に見えてくるのはオレだけだろうか、、、。実際、このジャケットはJimi Hendrixの意図とは何の関係もなく、本人もレコード会社の勝手な意向にかなり落ち込んだようだ(現在発売されているジャケットは別のものなのでご安心を!)。そんな3rdアルバムは1968年の10月にリリースされている。前作からの間、ツアーと並行して曲を作りレコーディングされたようだが、その過密スケジュールがプロデューサーのChas Chandlerと、さらにはバンド内にも亀裂を生んでいったようだ。このアルバムのレコーディング中にChas ChandlerはJimi Hendrixのもとを去っている。またこのアルバムはExperienceのメンバー以外で行われたセッションも収録されている。
今まで以上に時間とお金をかけれるようになり、レコーディング機材の向上もあいまって、立体的なサウンド作りがされていたにもかかわらず、最終行程のマスタリング&カッティングで全て台無しにされたと、発売当時Jimi Hendrixは不満をもらしていたようだ。そんな不満とは裏腹にアルバムは初のNo.1に。「Voodoo Chile」を筆頭に「The Burning Of The Midnight Lamp」、Bob Dylanのナンバー「All Along The Watchtower」「Cross Town Traffic」「Gipsy Eyes」などなど、No.1アルバムに相応しい内容の超名盤!!!
-BBC Sessions-
これはイギリスの放送局BBCで行われたスタジオライヴを集めたCDなんだが、なんせ演奏が素晴らしい!!!3人でこの迫力の演奏をされたらたまったもんじゃない、、、。「 (I'm Your) Hoochie Coochie Man」「Catfish Blues」「Hound Dog」「Killing Floor」とBLUESのカヴァーもさすが!!!
Chas Chandlerの言葉を借りると、「僕はブルースだけをやっていたのではJimi Hendrixでヒットは作れないと思っていた」とのこと。Jimi Hendrixのブルースに、Chas Chandlerが加えた「+アルファ」が、 上記の3枚のスタジオ盤を傑作アルバムに押し上げたのは間違いのないことだろう。
これもブルース。
初掲載:2008.04.11.
加筆・修正:2011.05.13.
- 2012年
- 2011年
- 2010年